増補・話芸きまり文句辞典

落語・講談によく出ることば(改装中)

【青史に名高い】せいしになだかい)「青史」歴史。記録。──【広辞苑四版】 紙のない時代、青竹をあぶって書いたことに由来。(講談・赤穂義士本伝「青史に名高い殿中松の廊下の刃傷に至りますまでに」)

【精神一(たび)(れば)、何事か成らざらん】せいしんいっとう、なにごとかならざらん)精神を集中して事に当たれば、どんな難事でも成就しないことはない。──【故事俗信ことわざ大辞典】(講談・祐天上人「精神一たび到れば何事か成らざらんやと申します」落語・富士詣り「人は一心になれば是れぞ成らざるといふことはない」)講談:水戸黄門、忠僕直助、木村長門守、田宮坊太郎

【聖人に夢なし、馬鹿に苦労なし】せいじんにゆめなし、ばかにくろうなし)「聖人に夢なし」「莊子」より。聖人は悟 りの境地にあり妄想にわずらわされないから、心安らかで眠っていてもつまらない夢などを見ることはない。「馬鹿に苦労無し」馬鹿はこの世のことに心を煩わ されないから、なんの苦労もない。──【故事俗信ことわざ大辞典】 「毛吹草」にもある。(落語・質屋庫「一方では『聖人に夢なし』と言いまして、あんなものは信じるに足りないもんだという」)落語・鼠穴、金魚の芸者、質屋庫、隅田の花見=長屋の花見 講談:笹川繁蔵、慶安太平記

【精出せば氷る間もなき水車】せいだせばこおるまもなきみずぐるま)「精出せば氷る暇なき水車」とも。回っている水車が凍らないように、怠らずに精出して働く人は困窮に陥ることがない。松本(五色墨)蓮之(珪琳)の俳句「精出せば氷る間もなし水車」による。──【故事俗信ことわざ大辞典】(講談・正直車夫「あしたの朝は早く起 き、夜は遅くまで、精出せば氷る間もなし水車」)講談:大塩瓢箪屋裁き

【せいては事をし損ずる】せいてはことをしそんずる)物事はあまり急ぐとかえって失敗に終わって、急いだことがなんにもならなくなる。──【故事俗信ことわざ大辞典】(講談・野狐三次「ナニ悠くりやらなくっちゃいけやせん、急いては事を仕損ずるといいやす」)《い》落語:入黒子 講談:忠僕直助、太閤記、梁川庄八、赤穂四十七士

【青天の霹靂】せいてんのへきれき)意外の事変に喩う。──【諺語大辞典】(講談・伊達政宗の堪忍袋「青天の霹靂と申しますか、マいきなりこの大発表をうけて大名びっくりいたしました」)

【晴天白日】せいてんはくじつ)「青天白日」潔白にして、憚り忍ぶ所なきに喩う。──【諺語大辞典】(講談・越後伝吉「このようにして晴天白日の身の上と相成った上からは」)

【生は難く死は易し】せいはかたくしはやすし)苦難に耐えて生きぬくことは困難であり、それに負けて死を選ぶことは勇気も必要としない。一身の死によって問題を解決しようとする態度などをとがめていう。死は易うして生は難し。──【故事俗信ことわざ大辞典】(講談・両越大評定「生は難く死は易しと聞き及びます、今日のところは御無念でもありませうが、我慢を遊ばして」)講談:赤穂四十七士

【積善の家に余慶あり】せきぜんのいえによけいあり)善事を行う時は、子孫までも慶福あり。──【諺語大辞典】 「毛吹草」に「積善(しやくぜん)のいゑにはよけいあり」とある。これに続き「積悪の家には余殃あり」という逆の 意味の対句がある。(落語・ちきり伊勢屋「『積善の家に余慶あり』……『ちきり伊勢屋』でございます」)落語:髪結新三、景清 講談:祐天吉松

【関取は百人弟子を持って、九十九人が食いつぶしても、関取が一人出来ればいい】せきとりはひゃくにんでしをもって、くじゅうくにんがくいつぶしても、せきとりがひとりできればいい)(講談・幡随院長兵衛「關取は何んのかのと云つたつて、いゝ弟子を持たなければ樂は出來ません、百人の弟子を持つて九十九人が食潰しても、其の内に一人關取が出來りア宜いとしてあります」)

【赤貧洗うがごとし】せきひんあらうがごとし)きわめて貧しくて、洗い流したように何一つ持ち物のないさま。──【故事俗信ことわざ大辞典】(講談・寛政力士伝「其の看病やら、何やらで赤貧洗ふが如しといふひどい貧乏」)講談:退行期、西郷南洲

【世間に人鬼はいない】せけんにひとおにはいない)「世間に鬼は無し」世の中には悪い人ばかりでなく、よい人も存外に多いものである。慈悲・人情はどこにもあるものである。渡る世間に鬼はなし。──【故事俗信ことわざ大辞典】(落語・お目見え「世間にやア人鬼ばかりもねえもんで戸長どんの婆さまハアえらア親切にして呉れやしてね」)落語:唐茄子屋 講談:寛永三馬術

世辞がいい】(せじがいい)「世事がいい」人に接する態度がよい。愛想のよい口のきき方をする。──【故事俗信ことわざ大辞典】(講談・関東七人男「相変らずおかみさんは世辞がいいね」)

【雪月花、何れも皆酒なり】せつげっか、いずれもみなさけなり)(講談・荒木又右衛門「ハゝッ有難き仕合せに存じまする。雪月花、何れも皆酒なりとか申しまする」)

【雪隠詰め】せっちんづめ)将棋で相手の王将を、また、十六指(じゅうろくむさし)で相手の親石を盤の隅に追い詰めること。転じて、人を窮地に追い込むたとえにいう。(落語・将棋の殿様「俗に所謂雪隠詰めに成るまで逃げ惑い苦しんで居るとは」)

銭金は夫婦でも他人】ぜにかねはふうふでもたにん)「銭金は親子でも他人」金銭のことは、親子の間柄でも他人のような関係になる。どんなに親しい関係でも、金銭上のことははっきりとけじめをつけなければならないということ。銭金は他人。(講談・関東七人男「夫婦の中でも錢金は他人といふ事もあり」)落語:文違い

【銭のないのが縁の切れ目】ぜにのないのがえんのきれめ)「金の切れ目が縁の切れ目」金銭のなくなっ た時が関係の切れる時。遊客と遊女、顧客と商人などの一見親しそうな関係も、実はそれは金銭の利害損得によるものであって、それ以上の金銭の見込みがない となると、あっさりとそれまでの関係を絶ってしまうということ。──【故事俗信ことわざ大辞典】(落語・子別れ「銭のないのが縁の切れ目といいますが、これはモウ其れに相違ないようで」)

【銭のないのは首のないのに劣る】ぜにのないのはくびのないのにおとる)「金のないのは首の無いに劣る」金のないのが首のないよりつらい。金がないくらいなら死んだほうがましだ。金銭のないことの苦痛をいうたとえ。──【故事俗信ことわざ大辞典】(落語・死神「待てよ、金が無えのは首の無えのに劣るというが、シテ見るというと、俺は首が無え様なもんだな」)講談:清水次郎長、木村長門

【背に腹は代えられない】せにはらはかえられない)物事には前後緩急ありて、切迫せる事のためには、他を顧みる遑なしとの意。背中ニ腹ハカエヌともいう。──【諺語大辞典】 「毛吹草」に「せなかにはらをかへぬ」とある。(講談・祐天吉松「その十一になる娘のおきちを、可哀想ではございますが、脊に腹は替へられません」)《い》落語:算段の平兵衛 講談:天保六歌撰、大石東下り

【善悪ともに染まりやすい】ぜんあくともにそまりやすい)(落語・万金丹「善悪ともに染まりやすいもので、毎朝本堂でもってお念仏でございます」)

【善因善果、悪因悪果】ぜんいんぜんか、あくいんあっか)「善因善果」善い行いには安楽な果報があるということ。「悪因悪果」わるい原因にはわるい結果が伴うこと。──【広辞苑四版】(講談・妲妃のお百「善因善果、惡因惡果と申しまして、善い事をすれば善い報いが來る、惡い事をすれば惡い報ひが來る事は、之れ世間の定法でございます」)

【せんぎくせんだんにあって学ばざれば金たらんと欲す】せんぎくせんだんにあってまなばざればきんたらんとほっす) 上方落語「延陽伯」(「たらちね」と同内容)の速記では、「仙菊栴檀に入って学ばざれば欣たらんと欲す」。 (落語・たらちね「『せんぎょくせんだんに行って……これを学ばざれば金たらんと欲す』『えっ?“金太郎干すゥ?”』」)

千金の子は市に死せず】金力によりて危険を免るゝをいう。──【諺語大辞典】(実録・水戸黄門仁徳録「中山是を篤と聞れ誠や千金の子は市に死せずと世の諺言も是なりけり」)

【千軍万馬】せんぐんまんば)【意味】多くの戦場をめぐって、戦闘の経験が豊かであること。転じて、社会経験などが豊富であることをたとえていう。──【故事俗信ことわざ大辞典】(落語・茶の湯千軍万馬往来をして命のやりとりをしようというんですから」)

【嬋娟窈窕】せんけんようちょう)【意味】「嬋娟」顔や姿の美しくあでやかなさま。「窈窕」美しくたおやかなさま。──【広辞苑四版】(講談・安政三組盃「中から出ましたのは嬋娟窈窕、なんともエレガントなひとりの若婦人、天女が天下ったかと思われるばかり……」)落語:札所の霊験 講談:宮本武蔵、鎌倉星月夜、西郷南洲、女天一坊爆裂お玉

【前車の覆るは後車の戒め】ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ)(編者注:「前車の戒め」と略すことも)前なる者の失敗に鑑みて、自ら戒むべし。──【諺語大辞典】(講談・寛永御前試合「しかし『前車の覆るは後車の戒め』尊公に拙者が手心を教えて進ぜる」)講談:太閤記由井正雪

【千手観音】せんじゅかんのん)【意味】虱の異称。略して「観音」とのみもいい、観音は「観世音」とも。──【江戸語の辞典】(講談・写真のお若「千手観音樣なんざ一匹もおりませんからね」)

【千丈の堤も蟻の一穴より破れる、大家の焼亡も一爐に始まる】せんじょうのつつみもありのいっけつよりやぶれる、たいかのしょうぼうもいちろにはじまる)「千丈ノ堤モ蟻ノ穴ヨリ崩ル」事の破れは些細の点より起る。──【諺語大辞典】(講談・吉良屋敷替え「非常につけこみ野心の曲者お廓内に侵入いたさないでもない、蟻の穴から千丈の堤のたとえ、かくては一大事と心得る」)講談:大石内蔵助、南部坂雪の別れ、慶安太平記〜奥村の裏切り 実録:天明水滸伝

【千辛万苦】せんしんばんく)いろいろと苦しむこと。さまざまの難儀や苦労にあうこと。非常に骨を折って苦労すること。また、その苦労。──【故事俗信ことわざ大辞典】(講談・梁川庄八「千辛萬苦して親の敵を討たんとする夫婦の者を、多勢にて取込め、騙し討に致すとは、武士道にあるまじき振舞」)講談:慶安太平記

【先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし】せんせいとよばれるほどのばかでなし)「先生と言われる程の馬鹿でなし」人を先 生と呼ぶとき、必ずしも敬意をこめていず、かえって馬鹿にすることの多いところから、呼ばれていい気になっている者を軽蔑していう。人を無闇に先生呼ばわ りする風潮や、呼ばれて得意になっている人などに対していう。──【故事俗信ことわざ大辞典】(落語・不動坊「エー、講談のほうは昔から、値打ちがあろう がなかろうが先生でしたんですな。先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし、てな川柳がございますが」)

【前席と見て侮るな、真打と見て恐れるな】ぜんせきとみてあなどるな、しんうちとみておそれるな)(落語・本能寺「夫故昔しからの教へにも、前席と見て侮るな、真打と見て恐れるな、と申す事が御座います」=鍋草履)

【前足流れんとすれば後輪にかかり、後足沈まんとすれば前足を沈め、流木蹄を払わんとなせば鞭を持って払いのけ】ぜんそくながれんとすればあとわにかかり、こうそくしずまんとすればぜんそくをしずめ、りゅうぼくひづめをはらわんとなせばむちをもってはらいのけ)(講談・加賀騒動「後脚流れんとする時は前輪に乗り掛けて、手綱を操り、人は馬を助け馬は人を助け」)講談:鉢の木

【仙台に殿なし、加賀に家老なし】せんだいにとのなし、かがにかろうなし)編者注:「加賀」でなく「会津」という場合もある。(講談・水戸黄門「又俗に下様の者が、仙臺に殿なし、加賀に家老なしといふ事を申すが」)

【栴檀は双葉より芳しく、頻迦鳥は卵=かいこ=の内より其の声諸鳥に勝る)(せんだんはふたばよりかんばしく、びんがちょうはかいこのうちよりそのこえしょちょうにまさる)】 「栴檀は二葉より芳し」栴檀は発芽の二葉の頃から芳香を放つ。英雄・俊才など大成する人は、幼時から人並みはずれてすぐれたところがあることのたとえ。 「頻伽羅は卵の中にありて声衆鳥に勝る」(「頻伽羅」は「迦陵頻伽」ともいい、仏教で極楽にいるという想像上の鳥)頻伽羅は卵の中にいる時から、すでにそ の声の美しさは多くの鳥をぬきんでている。後に大成する人物は、すでに幼時より人並みすぐれたところをもっているものだということのたとえ。栴檀は二葉よ り芳し。──【故事俗信ことわざ大辞典】 「毛吹草」に「せんたんは二ばよりかうばし しやは一すんより大かいをしる」とある。(落語・年ほめ「栴檀は稚葉より香しく、蛇は寸にして其気を呑む、私も早く此様な御子様にあやかりたいと云ふんだ」=子ほめ)《い》落語:雛鍔、子ほめ 講談:荒木又右衛門、一休禅師、両越大評定、太閤記、柳生三代、山中鹿之助赤穂四十七士伝、安中草三郎

【銭湯で上野の花の噂かな】せんとうでうえののはなのうわさかな) 正岡子規(一八六七~一九○二)による。(落語・長屋の花見銭湯で上野の花の噂かな……ま、花見時はどこへ行きましても花の噂でもちきりで」)

【銭湯で裸同士の御慶かな】せんとうではだかどうしのぎょけいかな)(落語・御慶「『銭湯で裸同士の御慶かな』なんて句があるがなァ、御慶というのはどうだい」)

【善なる時は君を称し、過ちあらば己を称す】ぜんなるときはきみをしょうし、あやまちあらばおのれをしょうす)(講談・伊達誠忠録「善なる時は君を稱し、過ちあらば己れを稱す、之は禮記にある言葉ぢや」)

千日に刈った萱】せんにちにかったかや)「〜一時に亡ぼす」と続く。千日もかかって刈りあつめた萱 を一日で焼きほろぼす。長年苦労して築き上げた成果を一時に失ってしまうことのたとえ。──【故事俗信ことわざ大辞典】 「毛吹草」に「千日にかるかやも 一ときにほろぼす」とある。(講談・両越大評定「萬一御親類方始め大公儀へ御不行跡と申上ぐる者あらば、千日に刈つた萱の比喩、是までの御苦心も水の泡と相成りまする」)

【善人があるので亀がむごくされ】ぜんにんがあるのでかめがむごくされ)(落語・佃祭「善人があるので亀がむごくされ……てえ川柳がございますが、なるほど放してもらった八文の亀の方はよろこぶんです」)

【善は急げ】ぜんはいそげ)「善事は急げ」とも。善い事はためらわずただちに実行せよ(、悪は延ばせ るだけ後に延ばせ)。「〜悪は延せ」「〜悪は延べよ」──【故事俗信ことわざ大辞典】 ただし、講談では悪玉が悪事をさくさく進める時に必ずこう言い、講 談師が決まって「どこが善なものか」と突っ込むのが通例。「毛吹草」には「ぜんはいそげ あくはのべよ」とある。(落語・たらちね「うん明日が悪くつて明 後日がよくないと、弱つたなア善は急げ、早い方がいいんだが」)落語:臆病源兵衛、たらちね、万金丹、備前徳利、辻駕籠、腕食い、湯屋番、出来心、皿屋、牡丹燈籠、乳房榎 講談:清水次郎長、伊賀の水月、小野寺十内、山中鹿之助赤穂四十七士伝、安中草三郎、新吉原百人斬り、原惣右衛門

【千本の石塔を磨くと忍術が行へる】せんぼんのせきとうをみがくとにんじゅつがおこなえる)(落語・真景累ヶ淵「昔から譬へにも、千本の石塔を磨くと忍術が行へるとも云ふから、其様な事も有るまいが功徳になるから參詣なさい」)

【千松】せんまつ)「伽羅先代萩」中の人物。政岡の子。また、その「侍の子というものは腹が減ってもひもじゅうない」という台詞から、空腹の人のたとえ。──【広辞苑四版】(落語・鰻の幇間「大将ねェ、あたくしゃァねェ空腹の気味なんで、へえ。ばかな千松なんで、へえ」)落語:妾馬

【千三】せんみつ)うそ。うそつき。本当のことは千に三つだけとの意。──【江戸語の辞典】編者注:「百三」、「千一」(講談・伊賀の水月)ということもある。(落語・嘘つき村「うゥん。千三ッてんだあ……うゥん、嘘の俺ァ名人だ」)落語:大山詣り、うそつき弥次郎 講談:伊賀の水月

【前門に虎を防げば後門に狼あり】ぜんもんにとらをふせげばこうもんにおおかみあり)「前門に虎を防ぎ後門に狼を進む」表門から侵入してきた虎を防いだが、裏門からすでに狼が進入してきた。一つのわざわいをのがれても、さらにまた他のわざわいにあうことのたとえ。──【故事俗信ことわざ大辞典】(実録・おこよ源三郎「前門に虎を防げば後門に狼ありとか」)

【千里の外に兵を送る時は人数一万人に対し一日千金の費消あり】せんりのほかにへいをおくるときはにんずういちまんにんにたいしいちじつせんきんのついえあり)(講談・難波戦記冬合戦「既に孫子の言葉にもある通り、千里の外(と)に兵を送る時は、人数一萬人に対し一日千金の費消(つひえ)ありと申す」)

【千里の道を行くにも一歩から】せんりのみちをゆくにもいっぽから)「千里の行も一歩より起こる」遠い千里の旅路も足元の第一歩から始まる。転じて、どんな遠大な計画も、手近な実行から始まる。──【故事俗信ことわざ大辞典】「老子」より。(講談・忠僕直助「千里の道を行くにも一歩から、何になっても最初から楽のできるものはない。よいか、わかったか」)

【千両の鷹も切って放してみなければ分からない】せんりょうのたかもきってはなしてみなければわからない) 「千両の鷹も放さねば知れぬ」とも。千両もする高価な鷹でも、その値打ちは鷹狩りをしてみないかぎりはどうともいえない。どんなものでも、実際に使ってみ ることによってその真価がわかるということ。また、物事の価値は金額だけでは判断できないというたとえ。──【故事俗信ことわざ大辞典】 「毛吹草」には 「いちもつのたかもはなさねはとらす」とある。(講 談・夕立勘五郎「千両の鷹も切つて放して見なけりやア分らねえが、マア然んな事を怖がつた日にやア仕様がねえ」)

【千両の花火寝て見る乞食かな】せんりょうのはなびねてみるこじきかな)(講談・三家三勇士「千両の花火寝て見る乞食かな、などといってね、ヘエ、乞食だって馬鹿には出来ませぬ」)

【千両八百十三年】せんりょうはっぴゃくじゅうさんねん)千両の金を一日平均銭八百文ずつ消費する時は、十三年間ありという。──【諺語大辞典】(落語・御慶「馬鹿なことを言うなよ。『千両…八百…十三年』。なァ、八百文(はっぴゃく)ずつ使ったって十三年経ちゃァなくなっちまう」)

【千慮の一失】せんりょのいっしつ)智者も時として過失なきを得ず。愚者ノ一得参照。──【諺語大辞典】(講談・朝顔日記「勝れた御氣性が妨げをして、一時非常に御亂行をなされました。つまり千慮の一失とも云ふべきものです」)講談:梁川庄八、岩見重太郎

【善を成せば善の報いあり、悪事を企むものは悪報あり】ぜんをなせばぜんのむくいあり、あくじをなすものはあくほうあり) 「善因善果、悪因悪果」のこと。(講談・山中鹿之助「アツハゝゝゝ、眞や善をなせば善の報いあり、悪を企むものは悪報ありとの事だ」)

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